録音のコツ
テープ起こしを依頼する際に避けては通れないのが録音です。
ここでは録音、収録したことがない方にも簡単に録音できるコツを解説します。
また録音の際にちょっとしたことを気をつけるだけで録音状態の改善によって起こされる文章の精度がぐっと上がったり、音声の聞き取り困難による料金追加がされにくくなるポイントも紹介いたしますので参考になれば幸いです。
録音機材
よく使われる録音機材
テープ起こしの言葉のとおり、昔は文字に書き起こすための録音機材はテープレコーダーでしたが、現在では録音機材がデジタル化することによりICレコーダー、PC、さらに携帯電話でも録音することが可能です。
多くの方が録音に使っているのが小型で録音音声の取扱も簡単なICレコーダーです。
録音するだけであれば携帯電話でも可能ですが、ICレコーダーの特徴の1つは音声が綺麗に録れることとステレオで録音できることです。
音楽を聞くわけでもないのにステレオ?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、複数人の発話者で録音した際に、発言の聞き分けは声の特徴や性別だけではなくしゃべっている位置が手がかりになることも少なくないからです。
今後も記録用の録音をする機会があるようなら各社のICレコーダーを調べてみるといいでしょう。
録音環境
収録するのはどんな場所?
会議、講演会、ゼミ、インタビューなど録音する場所によって、発話者の声の聞こえ方、ノイズとなる環境音などにかなりの違いがあります。
マイクを使用することになるような大きな会場であれば聴衆は増えるでしょうし、またインタビューなどの収録では喫茶やレストランを収録場所にする場合はほかのお客さんの話し声や音は避けられません。
もし収録場所を選べる際にはなるべく発話者の声だけを拾える環境で録ることが好ましいです。
またマイクを使うような場所であれば会場の音響機材のラインアウトをICレコーダーのラインインに繋げることで発話者の声だけを録音できます。
雑音が多く、マイクもない環境ではICレコーダーが発話者の声を最も拾いやすい場所に設置しましょう。
機材の置き場所とノイズ
レコーダーは人の声だけではなくその場すべての音を拾いますし、機材自体に伝わる振動も拾ってしまいノイズになってしまいます。
手に持って録音する際はなるべく衣服などが機材に擦れないようにし、風切り音も拾いますので振ったりしないようにしましょう。
テーブルなどに置いて録音するときには、近くの食器、ビニール袋などの音も拾ってしまいますので、なるべく話者の声を拾いやすい場所で動かすものがないところに設置しましょう。
具体的なポイントは次のようになります。
- ステレオ録音設定での録音
- 録音中はレコーダーの位置や向きを変えない
- 録音中は話者の座る位置や順序を変えない
- 手に持つ場合は衣擦れ音に気をつけ振らない、置く場合には周りに動かすものがない場所を設置場所に選ぶ
- テーブルなどに置く場合は振動防止のために、直接置かずに本などの上にレコーダーを置く
- エアコン、扇風機の風が当たらない位置にレコーダーを設置
これだけでも録音品質は上がります。
発話者でできること
複数発話者の録音の際、一人が発言しているときに他の話者が同時に話さない(重ねない)ように意識してもらえると、文字起こしの精度を上げやすくなります。
素起こしなどのテープ起こしで起こしの正確さを求めるときは特に影響が大きいので、話者が意識できる場合には収録前に打ち合わせてみるといいでしょう。
音声メディアとフォーマットについて
デジタルデータのフォーマット
京都データサービスでは音声データ引渡しの際、一般的なデータフォーマットであればほとんど対応できます。
wavなどの無圧縮の音声ファイルの場合、音声の劣化がないかわりにデータサイズが大きくなりますので、mp3などの圧縮形式の音声ファイルにするとアップロード時間を大幅に短縮できます。
また圧縮形式にデータを変換するときやレコーダーの録音ファイル形式選択のときには低圧縮(mp3であれば128kbpsの標準ビットレート以上)であれば音質の劣化も少ないです。
録音データ送信時の注意点
お客様からお預かりした音声データファイルの管理には最善の注意を払っていますが、録音したファイルはお客様自身でもバックアップをとってから送信していただけると万が一のデータ紛失も避けられます。
お手数ですがバックアップをお願いします。
資料やメモの提出
どうして音声データ以外のものが必要なの?
専門用語集、固有名詞(人物名、土地名、モノの名前など)、話者数など音声そのものから把握することが困難な場合があるものを事前に伝えることで、これらの項目の確認に使う手間を文字起こしそのものへまわすことができます。
文字起こし全体のクオリティアップにはテープを起こすライターの熟練度はもちろん影響しますが、その上で不確定な情報をどれだけ減らすかが鍵であり、納期や受注状況といった作業時間との兼ね合いでもあります。
資料提出は手間になりますが、クオリティの高いテープ起こしは受注後のお客様自身の手直しを減らすことにもなりますので資料、メモを付けていただければワンランク上の仕上がりが可能です。
これでだけで起こしの精度が上がる、メモのコツ
テープ起こしのプロたちからどんなメモが役立つかアドバイスをいただいて、メモのコツをまとめてみました。参考にしてみてください。
- 発言者の表記名と性別を挙げる。
このときに各話者に対してコメント(簡単な紹介)があるとさらに分かりやすくなります。
複数話者のときは、これがあるだけで起こしの精度がぐっと上がります。 - 議題のタイトルを決める。
タイトルから話していることの内容が想像しやすくすると聞き取れる語が増えます。 - 収録テープに関係する参考サイトの紹介。
シンポジウムやイベントなら参考サイトやチラシ、プログラムなど音声以外からの情報は起こしの精度を上げる上で重要です。 - 過去の原稿を添付する。
「前回」があったものならその原稿や紙面から、今回委託するのテープ内容も想像がしやすくなります。
サイト(ホームページ)などでも大丈夫です。 - 専門用語集を添付する。
話中すべての単語を記載する必要はありませんが、キーワードとなる専門用語を中心に書き出す(箇条書きなど)と字面やその用語の検索から文脈がつかみやすくなります。